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会見で、保育環境の改善を訴える学識者ら=東京都内

 保育士の配置基準の改善などを求めて、子ども政策にかかわる学識者でつくる会が、新たに立ち上がった。「待機児童数が大きく減ったことで保育問題が解決したかのような雰囲気になっているが、保育施設での重大事故件数は増えるなど、むしろ深刻化している」としたうえで、「子どもの権利」を守るために、保育環境の整備は急務と訴えている。全国各地でシンポジウムを開くなどの活動をしていくという。

 会は「『子どもたちにもう1人保育士を!』を求める学識者の会」。汐見稔幸・東京大名誉教授、柴田悠・京都大教授ら研究者や弁護士など12人(6月20日時点)が呼びかけ人となっている。

 保育士や保護者らでつくる「子どもたちにもう1人保育士を!全国保護者実行委員会・全国実行委員会」の活動をさらに進めるねらいで、専門的な見地から連携していく。

 配置基準は、保育士1人が見る子どもの人数。子どもの人数が多くなると保育士が見守ることが難しくなり、事故などの危険につながるおそれもあると指摘されている。昨年4月から、4、5歳児のクラスで30人から25人になるなど、改善されているものの、国際的に十分な基準に達していないとされる。学識者の会が6月末に東京都内で開いた記者会見では、欧州では3歳以上の場合、10人が目標とされていることなどを説明した。

 会見では、子どもを預かる時…

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