毎週金曜日は、ひとり親世帯などを対象にした食料支援がある。「これ美味しそう」と親子で選ぶ姿もあった=京都市右京区の「野菊荘」

 金曜日の夕暮れ時。30世帯が入居する母子生活支援施設「野菊荘」(京都市右京区)の玄関に、パンやインスタント食品などが並んだ。

 1週間に一度の食料支援の日。フードバンク活動をする団体などから提供された食料を施設の入居者だけでなく、地域のひとり親世帯などにも配る。

 大学生の長女と高校生の長男がいるアユミさん(仮名、54)も利用者の一人だ。「一食でも本当にありがたい」とパンを手にとった。

 アユミさんも子どもたちが小学生の頃、母子で施設に入居していた。入居当初は全財産が8万円。そこから職業訓練を経て、なんとか職に就いた。

 事務職の嘱託社員からスタートし、今は正社員として働く。いわゆる低所得者(住民税非課税世帯)ではない。それでもアユミさんはため息をつく。「ギリギリ課税世帯。支援も少なくなり、生活は苦しい」

 ボーナスで、まとまったお金…

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