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京都ノートルダム女子大学=2025年4月25日午後0時15分、京都市左京区、木子慎太郎撮影
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 大学の街・京都から女子大が一つ消える。各地で私立大の定員割れが続くなか、京都ノートルダム女子大(京都市左京区)が2026年度以降の学生募集を停止する。25日の発表に、学生や卒業生から驚きや戸惑いの声が上がった。ノートルダム女学院中高とノートルダム学院小は存続する。

 大学によると、定員を大幅に下回る状況が続くなか、学生数の確保を進めてきた。23年度に社会情報課程(現・社会情報学環)、今年4月には女性キャリアデザイン学環を新設。26年度には人文学部をつくり、学生を募集する予定だった。

 だが、18歳人口の減少に加え、学生の共学志向の高まりによる女子大離れが影響した。運営する学校法人ノートルダム女学院は4月に入ってから募集停止の本格的な議論を始め、22日の理事会と評議会で正式決定したという。

 大学の担当者は「小規模大学として財政的な制約もあり、学生を呼び込むための大きな投資が難しかった」と説明する。

 心理学科に通う3年生は「急な知らせで驚いた。気持ちの整理がまだつかない。大学がなくなった後のフォローがどうなるのか不安」。別の3年生は「新しい学部を作るという話も聞いていたので驚いた。学生数は減っていると感じていたが、まさかという思い」と話した。

 約30年前に卒業した女性(51)は子どもや大学時代の友人からの連絡で知った。特に印象に残っているのは英語の学歌だ。「メロディーもきれいで、ノートルダムらしい誇りに思える歌。少子化や女子大離れで、いつかはと思っていたけれど、母校がなくなるなんて寂しいし、切ない。ショックです」

 驚きは京都のほかの女子大にも広がった。

 同志社女子大の広報担当者は「驚いている。伝統ある女子大学なので、残念という思い」と話した。全学部で定員が充足し、これまで定員割れは起きていないという。

 京都の女子大では、京都光華女子大が26年度から男女共学とし、校名も京都光華大に変えると3月に発表した。京都橘大は05年度に共学化した。

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