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講演会後、企画した3人の若手社員と話す美谷島邦子さん=2024年6月13日、東京都品川区東品川2丁目、角詠之撮影
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 いまいちど「安全」について見直そうと、日本航空(JAL)の若手が39年前の日航ジャンボ機墜落事故の遺族を本社に招き、講演会を企画した。1月に羽田空港でJAL機と海上保安庁機が衝突した事故から2日で半年。JALでは事故後も安全上のトラブルが相次いでおり、社員たちは安全な空を守ることを誓った。

 羽田の事故を受け、安全への意識を高めるために何かできないかと、若手社員が中心となり、日航ジャンボ機墜落事故の遺族の美谷島(みやじま)邦子さん(77)を本社に招いた。

 1985年8月、日航ジャンボ機が群馬県の御巣鷹の尾根に墜落。美谷島さんは1人で乗っていた次男の健ちゃん(当時9)を亡くし、遺族らでつくる「8・12連絡会」の事務局長を長年務めている。

 「(事故直後に御巣鷹の尾根に登ったとき)山のどこかに健がいるような気がして、『健ちゃん、ごめんね、ごめんね』と言って、山の方に向かってつぶやくのが精いっぱいでした」

 「災害でも事故でも、どんなに技術が進んでも、安全の最後の守り手は人間の意識でしかないと思います」

 美谷島さんは、運航便を管理するオペレーション本部や旅客サービス担当の空港本部など約70人に語りかけた。中にはハンカチで目元をぬぐう社員もいた。

 講演会を企画したのはJAL…

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