【動画】岩手県大船渡市の山林火災=4日、熊倉隆広撮影
上空から沿岸部の針葉樹の山々のあちこちから白煙が立ち上っているのが見える。近づくと森の中で下草が赤く燃えているところもある。その勢いは北東や南西方向に強く、民家に近い地区には自衛隊などのヘリがひっきりなしに水や海水を投下し、くい止めている。4日、発生から1週間が過ぎた岩手県大船渡市の山林火災は、残念ながら鎮圧のめどは立っていない。
- 【地図と写真で見る】大船渡市の山林火災
始まりは、小さな原野火災だった。火はわずか約1時間で付近住民が避難する山火事になった。東日本大震災を経験し、今度も着の身着のままで逃げた住民たちは「延焼はあの時の津波のように速かった」と証言した。
強風にあおられた火が、積雪のない乾燥した下草を次々と燃やす。山が急峻(きゅうしゅん)で地上からの消火は困難だが、初日はヘリが飛べなかった。4日朝の時点で、市の人口の14%超の4596人に避難指示が出て、戻れないでいる。
10年以上、三陸で取材する記者が、集落に火が迫る状況を取材しました。
私は2月19日の同市三陸町…