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フィリピンの座礁船シエラマドレ(手前)を監視する中国海警局の船=2014年8月4日、南シナ海・アユンギン礁、葛谷晋吾撮影
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 中国とフィリピンが領有権を争う南シナ海のアユンギン礁をめぐり、ドゥテルテ前政権が実効支配の拠点の補強資材を搬入しないなどと中国と合意した「密約」があったと報じられた問題で、中国側は合意があったと認めたうえで、「紳士協定」だったと明らかにした。マルコス現政権が前政権と中国への批判を強めるなかで、中国の正当性を訴え、マルコス政権が約束をほごにしているとして圧力を強める狙いがあるとみられる。

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 アユンギン礁では、フィリピン軍がわざと座礁させた古い軍艦に兵士を常駐させ、実効支配している。この補給のためにフィリピン側が手配した船や護衛の海上警備隊の船に対し、中国海警局の船が放水銃やレーザーで妨害する一触即発の状況が続いている。

 「密約」にかかわる主張の口火を切ったのは3月中旬、匿名の中国高官がフィリピンの英字紙に語ったとする報道だった。

 記事によると、中国との融和路線をとったドゥテルテ前政権は、座礁船の老朽化や損傷に対応するための大規模な建設資材は「運び入れない」と中国に約束したという。

 中国政府関係者がこうした形で報道に登場するのは珍しく、中国側の意図的な「リーク」だった可能性がある。

4月に繰り返した中国側の言い分は

 これをめぐり、マルコス大統…

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