兵庫県の内部告発問題をめぐり、県議会が斎藤元彦知事らのパワハラなどの疑惑を「一定の事実」とし、告発者への対応でも「公益通報者保護法違反の可能性が高く、大きな問題があった」とする調査報告書を了承したことについて、斎藤知事は5日午後の定例記者会見で「一定の見解が示されたことは受け止めるが、文書問題の対応は適切だったと考えている」と述べ、県議会の指摘を受け入れない考えを示した。
報告書は、地方自治法に基づき設置された県議会の百条委員会が、約9カ月にわたる調査の末に取りまとめた。国の法律を根拠とした調査結果を顧みない斎藤知事の姿勢に対し、県議会からは「議会とのコミュニケーションを重視するって言っていた姿勢とは反する」「報告書は議論を重ねてできた重い内容。受け止めずに是正しないのであれば知事としてふさわしくない」など批判の声が出ている。百条委の過去の事例では首長の辞職につながったケースもあるが、斎藤知事は「斎藤県政を進めていきたい」として、辞職する考えがないと表明した。
県議会は同日午前、百条委が4日にまとめた調査報告書を審議し、賛成多数で了承した。反対したのは、百条委の元メンバーで、非公開の百条委の音声データを政治団体「NHKから国民を守る党」の立花孝志党首に漏洩(ろうえい)して維新会派を離脱した増山誠県議と、立花氏に情報提供を目的に電話をしたという維新の白井孝明県議。また、1月に死去した竹内英明・前県議を誹謗(ひぼう)中傷する文書を立花氏に提供した場にいたとして、維新を除名処分となった岸口実県議は、退席して採決に参加しなかった。
報告書では、県の元西播磨県…