豊永郁子・早稲田大学教授
  • 写真・図版

 政権に責任を取らせるとはどういうことなのか。政治学者の豊永郁子さんは、野党がただ「説明」を求めるだけではダメで、民主主義の政治は機能しないといいます。英国の事例を参考に、「責任の取らせ方」を考えてもらいました。

     ◇

 今、国会では、首相からも野党からも「説明責任」という言葉が乱発されています。英語のアカウンタビリティーの訳ですが、「説明する責任」という意味で使うのは誤りです。

 アカウンタビリティーは情報を開示し、説明する義務があるだけでなく、責任を追及され、解任などの罰を与えられる立場にあることを意味します(「答責性」とも訳されます)。説明するだけでは許されず、結果責任も問われ、制裁もある厳しいものです。

 民主主義は、政権の国民に対するアカウンタビリティーを、選挙で国民が政権を解任できるようにすることによって実現しました。ただ、自民1強の下、国民から解任される恐れがない自民党政権に、そうしたアカウンタビリティーがあるかは疑問です。

 ところで、今回の「裏金」問…

共有
Exit mobile version