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大阪府泉大津市の防災出前講座で紹介された自動ラップ式トイレ(左)とプラスチック製の非常用トイレ=市提供

 大阪府泉大津市は28日、様々なタイプの非常用トイレを紹介する「親子de尻活!いろんなトイレ展」を初めて開く。能登半島地震の被災地で浮かび上がったトイレの課題を市民らに伝え、今後の備えに生かしてもらう。

 市は地震発災翌日の1月2日から6月1日まで、延べ25人の職員を断続的に被災地の石川県に派遣し、輪島市で避難所の運営を支援したり、穴水町で給水活動をしたりした。

 被災地では、「トイレ問題」が持ち上がった。断水が続き、自宅の水洗トイレや避難所の常設トイレが使えなくなったのだ。避難所に泊まり込みながら支援活動をした泉大津市の職員たちも、身をもって課題の大きさを痛感したという。

 「いろんなトイレ展」では、被災地で活動した職員や、避難所の被災者らが使った4種類の簡易型トイレが展示される。家庭にある段ボールで手作りするタイプやプラスチック製のトイレなどのほか、在宅介護やキャンピングカーにも使われ、水を必要としない「自動ラップ式トイレ」もある。

 市が2022年度に実施した市民アンケートでは、災害に備えて食料や生活必需品などの「備えをしていない」人の割合は44・9%。今年度の市民アンケートの速報値は45・9%でほぼ同じ傾向にあり、なかでも子育て世代が多い20~30代の約6割が「備えをしていない」と回答した。

 市は今回の企画で「トイレの備蓄活動」を訴えるため、催しの題名に「尻活」を盛り込んだという。担当者は「大規模災害の時に一番困るのは、食料よりもトイレが使えなくなること。トイレ展で防災意識を親子一緒に高めていただきたい」と話す。

 会場は泉大津市なぎさ町の関空泉大津ワシントンホテル。ホテル主催のフリーマーケット「親子deフリマ!」にブースが設けられる。凝固剤などを使った実演もある。開催は午前11時~午後4時、入場無料。(辻岡大助)

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