岐阜市立女子短大=2025年4月1日午後3時8分、岐阜市一日市場北町、高原敦撮影

 岐阜市立女子短大(同市一日市場北町)の共学4年制大への移行を構想している市は、新大学「岐阜市立大学」(仮称)の基本計画の素案を発表した。「社会共創学部」(仮称)と「デザイン情報科学部」(同)を擁し、入学定員は1学部100人ずつの200人(収容定員800人)。2033年度をめどに可能な限り早い時期の開学を目指す。

 市は昨年3月、共学4年制の移行を図る将来構想を決定。高校生や産業界へのアンケートやヒアリング、内部検討などを進め、今回の素案を練り上げた。

 岐女短は現在、国際コミュニケーション▽健康栄養▽デザイン環境の3学科。新大学は学生ニーズや4年制移行に伴う高度化や多様化、岐女短の実績などを勘案した教育内容にする。

 社会共創学部には同名の学科と「ビジネス共創」「都市共創」、デザイン情報科学部にも同名の学科と「デザイン科学」「情報科学」の計4コース(いずれも仮称)を置き、「図書館・情報科学センター」「産官学連携センター」といった付属機関も設ける。

 卒業後の進路としては、社会共創学部が企業総合職や経営者、地域活性化アドバイザー、デザイン情報科学部はデザイン系やデジタル系の企業内専門職、建築士やウェブプランナーなどをイメージしている。

 立地は、地域活性化や通学利便性を踏まえて「市中心部への移転が優位性がある」と明記。既存の施設改修を含めて「中心部移転を優先して具体的検討に入る」との方針を示す一方、「現地改修・増築も排除することなく更なる精査を行う」としている。

 新大学開学に合わせて岐女短は募集を停止し、在学生の卒業とともに廃止する。4月から岐阜薬科大の運営を始めた岐阜市公立大学法人が、新大学も運営する方針。

 定員や学部構成については、現在約2割にとどまっている県内高から県内大への進学者を増やす意図や、県内大の社会科学系・理工学系の定員割合が比較的低いことなどを考慮したという。

 今後は有識者らでつくる新大学準備委員会(仮称)で審議を進め、パブリックコメントで意見を募り、年内に基本計画を確定させる方針だ。

共有
Exit mobile version