建築家の坂倉準三氏（1901～69）が設計した三重県伊賀市上野丸之内の「旧上野市庁舎 SAKAKURA BASE」（市指定有形文化財）に入るホテル「泊船（はくせん）」が「海の日」の21日、オープンした。
全19室は2階の中庭を囲むようにぐるりと配置され、一部の壁面や扉などは市役所時代のものが再利用された。旧市長室を活用したスイートルームでも「市長室」の扉やプレートを使い、坂倉氏を紹介する書籍を置いた。細川あやの支配人（54）は「伊賀の風土や文化を感じてもらい、静かに心を整えてもらう空間をめざしたい」。
旧上野市庁舎の地下1階・1階・2階に入る新図書館は来春にオープンする。市によると、公共図書館と宿泊施設が併設されるのは全国で初めて。21日は新図書館のスペースを活用した参加型の演劇イベントがあった。庁舎保存に尽力した岡本栄・前市長は「建築に興味がある人から、あるいは泊まれる図書館としても、ホテルは注目されるだろう」と話した。
