SBI新生銀行が国からの公的資金を完済した。これにより、バブル崩壊後の経営危機で注入された公的資金が残る銀行はなくなった。国民がリスクを負って多くの金融機関が救済された「平成の金融危機」は、当事者らに重い教訓を残した。
「国民からの血税をお返しする。できるだけ早く返したい」。SBIホールディングス(HD)の北尾吉孝会長兼社長は5月の会見で、SBI新生銀の公的資金について、そう強調した。
新生銀の前身は、日本長期信用銀行(長銀)。戦後の資金難の時代、基幹産業に設備資金を長期で貸し出す目的で1952年に設立された。日本興業銀行(現みずほ銀行)、日本債券信用銀行(現あおぞら銀行)とともに「長信銀3行」と呼ばれ、高度経済成長期の日本を資金面で支えた。
経営破綻、残った返済3500億円 北尾氏が動いたわけ
だが、90年代前半のバブル…