Smiley face

 3月にNHK・Eテレで放送を終えた番組「バリバラ」は、様々な生きづらさを感じる人たちが、自ら意見を発信する番組だった。障害者を感動の材料として利用する「感動ポルノ」の是非を議論し、話題になったこともある。番組の「ご意見番」として出演を続けた社会福祉士の玉木幸則さん(56)に、15年間を振り返ってもらった。

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 「何言うてるか分からへん人を出すな」「障害者を笑いものにするな」。最初はそういった声もありましたが、批判は1割。9割は「ようやってくれた」と評価してくれたと思います。

 思い出の回ですか。ごっついありすぎてね、挙げられへん。

 僕がすごくしんどかったのは、相模原の障害者施設殺傷事件(2016年7月)を取り上げた回。放送したのは事件から12日後。障害者の暮らしぶりを伝えて、事件に対する率直な思いを話し合いました。

 番組が行ったアンケートでは、「障害者なんかいなくなった方がいい」とか、「生産性がない」といった意見に賛同する人がいて。(番組では、その後も)障害のない人も「生産性」という言葉に縛られて生きていることや、施設そのものに課題があることを問題提起した。事件の本質は何かということをね、手前みそやけど何本か放送できたのは良かったと思います。

 視聴率はずっと悪かったから、「バリバラ」がやってたことが社会に浸透したなんて、これっぽちも思ってないです。でも、言い続けなあかん。これは番組が終わっても、変わらへん。

写真・図版
「バリバラ」の「ご意見番」だった社会福祉士の玉木幸則さん=2025年2月19日、大阪市中央区、岩本修弥撮影

 何でも「表現の自由」という…

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