衆院選で自公の議席数が過半数を割り、次の政権の形が見通せない状況となっている。喫緊の課題や法案を抱える省庁は年末の予算編成も迫り、不安視する声も。国民の声を反映させる仕組みはできるのか。
「防衛政策は考え方が分かれやすい。案件ごとに組む政党が変われば、見通しがきかないカオスになる」。自公政権が視野に入れる「部分連合」について、防衛省幹部はそう危機感を示す。
石破茂首相が年末に開始時期を決めるとしていた防衛増税は野党の大半が反対しており、「今の政権の体力では、来年の通常国会で成立する可能性は限りなく低いだろう」。一方、日米地位協定の改定は野党の賛成が多く、「野党と連合することで追い風となり、今より進むかもしれない」とみる。
この幹部によれば、2009年の政権交代では政策が根底から覆される大変さがあったものの、やることは明確で官僚としては混乱が少なかったという。「今回取りざたされている部分連合は、全く異なる難しさだろう」と話す。
年末に控える新年度予算編成の議論が本格化する時期でもある。「大混乱となる。絶対に間に合わせないといけないが、あまりにも時間が足りない」
「少数与党」が生まれた選挙は過去にもありました。1993年に誕生した「非自民」の8党派による連立政権はその一つです。今回との違いはどこにあるのでしょうか。当時、首相秘書官だった駿河台大名誉教授の成田憲彦さんが記事後半で振り返ります。
「誰がキーパーソンかわからない」
新年度予算をめぐる不安の声…