帰国会見をした高校生平和大使の3人。(右から)永戸あみさん、下田梨央さん、中嶋胡桃さん=2025年9月11日、広島市中区

 核兵器廃絶の訴えを世界に発信するためスイス・ジュネーブを訪問した高校生平和大使の3人が11日、広島市役所で帰国会見をした。3人は「微力でも声を上げ続けることが大切な一歩になる」などと手応えを語った。

 3人は福山暁の星女子高校1年の永戸あみさん(16)とノートルダム清心高校2年の下田梨央さん(16)、基町高校3年の中嶋胡桃さん(18)。公募で選ばれ、全国の仲間21人と9月1~4日の日程で軍縮会議が開かれたジュネーブを訪問。レジンバル国連軍縮部欧州事務所所長に核廃絶を求める11万1071筆の署名を届けた。

 中嶋さんは各国の外交官や学生らの前で、曽祖父の大熨(おおのし)時雄さんが被爆し数日後に死亡したと英語でスピーチ。その7カ月後に祖父が生まれたことを話すと、大学生から「核兵器の問題を身近に感じることができた」と声をかけられたという。

 下田さんは、軍縮会議日本政府代表部の市川とみ子大使から「あきらめてはいけない。取り組みを続ければ核問題も必ず解決に向かう」と背中を押されたことが印象的だったという。将来は外交官を目指したいという思いが強まった。永戸さんは「多くの人に問題意識を広げれば、核兵器が使われるリスクを下げることになると考えた」と話した。

 3人は今後、現地で感じたことを話す出前講座を計画しているという。

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