「徹夜おどり」が始まり、お囃子(はやし)に合わせて踊りを楽しむ人たち=2025年8月13日午後8時38分、岐阜県郡上市、溝脇正撮影

 岐阜県郡上市八幡町で開かれている「郡上おどり」(国重要無形民俗文化財)で、クライマックスの「徹夜おどり」が13日、始まった。16日まで4夜続き、浴衣姿の男女が翌朝まで踊り明かす。

 午後8時、おはやしと歌声に合わせ、市街地の狭い通りに集まった踊り手たちが手拍子を打ち、げたの音を響かせた。すぐに踊りの輪が広がり、会場は熱気に包まれた。

 岐阜県可児市から参加した酒井裕行さん(56)は「徹夜おどりに参加しないと夏が終わらない気がします」と話し、踊り仲間と輪に加わった。

 地元の観光協会などでつくる郡上おどり運営委員会は、徹夜おどり初日の人出を6万人と発表した。

 会場には、参加者から寄付を募る「投げ銭」の樽(たる)が登場した。7月から全30夜にわたる郡上おどりの開催経費は市の補助金が大半。将来にわたる安定的な財源を確保しようと、運営委員会が今年の徹夜おどりで募金を試み、現金のほかQRコード決済などでも寄付を呼びかけた。

 運営委員会の三島宏治事務局長は「郡上おどりは入場料を取る仕組みがない。金額の目標がありませんが、参加者の方々に運営を下支えしていただければ」と話した。

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