(7日、第106回全国高校野球選手権大会 有田工―滋賀学園)
開幕試合前の始球式に、作新学院高(栃木)のエースとして「怪物」と呼ばれた江川卓さん(69)=元プロ野球巨人投手=が登板した。江川さんは、甲子園100年の歴史に鮮烈な印象を残した選手として選ばれた。
振りかぶってから投じた山なり気味の球は、ワンバウンドで捕手へ。現役時代をほうふつとさせるフォームについて、「昔を覚えてくれている方も多いだろうから形だけでも」と振り返った。
投球前後には笑顔でグラウンドの選手に声をかけた。「『いい思い出を作ってください』と伝えた。負けたけど、私にとっても甲子園で投げたことはいい思い出になっているから」と語った。
江川さんは公式戦で無安打無得点を9回、完全試合を2回記録。1973年の第55回大会で甲子園のマウンドに立ち2回戦で敗れたが、1回戦では延長15回で23個の三振を奪った。(岡田健)