トランプ前米大統領が来年1月、再び米大統領の座に就く。ロシアとの戦いで米国の支援に依存するウクライナは、どう受け止めたのか。
11月6日。米FOXテレビがいち早く「トランプ氏勝利確実」を流したのは、ウクライナ時間午前9時前のことだった。
キーウの気温、7度。平日の日中でもあり、歩く人は少ない。前日には「暖房シーズン開始」が宣言されたばかり。今年はロシア軍によるインフラ施設への攻撃が相次ぎ、「冬は1日最大20時間の停電状態になる」とも報じられる。
厳しい冬がくる。
市内中心部の壁には、戦死した兵士たちの写真が並ぶ。侵攻が始まった2022年2月からの2年間だけで、「3万1千人」(ゼレンスキー大統領)のウクライナ兵が亡くなった。実際にはもっと多いとされる。写真を新たに掲げるスペースは、もうない。
400メートルほど坂を下ると、マイダン(独立広場)に着く。その一角にも追悼の場がある。各国の国旗が地面に立てられたり、木にくくりつけられたり。日の丸もある。
「次期大統領はカマラ・ハリ…