兵庫県の斎藤元彦知事らが内部告発された問題で、県の第三者調査委員会は27日、告発者の元西播磨県民局長(故人)の公用パソコン内にあった私的情報を県の前総務部長が県議に漏洩(ろうえい)したと認定し、漏洩が「知事及び元副知事の指示のもとに行われた可能性が高い」とする報告書を公表した。斎藤知事は第三者委の聞き取りに対し、「指示をしたことはない」などと説明している。
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前総務部長は、昨年4月1日から同8月まで総務部長だった井ノ本知明氏。斎藤知事の側近の一人だった。
第三者委の報告書によると、3人の県議が昨年4月、印刷された元県民局長の私的情報がとじられたファイルを当時の総務部長から見せられたなどと証言。第三者委は、3県議が前総務部長の目的について「元県民局長の私的情報を暴露することにより、その人格や人間性に疑問を抱かせ、ひいては告発文書の信用性を弾劾(だんがい)する点にあった」と受け止めているとしたうえで、県議の説明については「一定の説得力がある」と評価した。
前総務部長は当初、第三者委に対して「私的文書を見せて回ったことはない。(県議の証言は)虚偽だ」としていた。だがその後、代理人弁護士を通じて弁明書を提出。3県議への面会を認めた上で、「情報共有の意図で口頭で伝えたことはある。ただし資料を開示してはいない」と主張した。さらに、そうした行為は、斎藤知事から「そのような文書があることを議員に情報共有しといたら」という趣旨の指示を受けたためだとした。
第三者委の聞き取りに対し…