教卓で多くの端末や機器を使いながら指導する市川淳尉・主任教諭=2025年5月21日午後1時28分、東京都の千代田区立九段中等教育学校、宮坂麻子撮影

 大学入学共通テストに今年から入った新科目「情報Ⅰ」に加え、「総合的な探究の時間」などでもデジタルを活用した教育が、高校で進みつつある。「情報Ⅱ」や相当する科目を開設してデジタル人材育成をめざす高校に国が補助金を出す「DXハイスクール」も、今年度は全国の高校の4分の1まで広がった。

 科学、技術、工学、芸術・リベラルアーツ、数学を融合した「STEAM教育プログラム」を推進する東京都千代田区立九段中等教育学校。

 校内の情報実習室(パソコン室)に入ると、4方向の壁に大きなスクリーンが設置されていた。後ろには3Dプリンターが3台、教卓横にはレーザーカッター、奥には手のひらサイズのデスクトップコンピューター「Mac mini」とディスプレーが10台並ぶ。

 同校は昨年度から、2年連続で文部科学省の「高校DX加速化推進事業(DXハイスクール)」に選ばれた。2年間で計約1500万円の補助金を得て、機器をそろえ、今年度は「情報Ⅱ」と「情報探究」も選択科目で設けている。

 5月21日、「総合的な探究の時間」に、情報実習室に5年生(高2)9人がやってきた。探究テーマから約140人を15グループに分け、担当教員がゼミ形式で行う。

 生徒の探究テーマは様々だ…

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