おしゃれな眼鏡をかけた代議士・尾崎行雄氏。「この眼鏡は風よけのためのもの。物を見るには虫眼鏡だよ」と語る。日本にボストン型の眼鏡が現れ出したのは昭和初期。終戦後このタイプのバリエーションが無数に現れ、1949年当時は縁なし眼鏡が流行した=1949年2月ごろ、撮影場所は不明
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記者コラム 「多事奏論」 編集委員・高橋純子

 そうだ。困った時の神頼み、いっちょ尾崎に会いに行ってみるか――。

 醜態の見本市のごとき日本政治に鬱々(うつうつ)としていた先月下旬、米ワシントン・ポトマック河畔の桜が満開との報に触れ、ふと思い立った。桜の苗木が贈られたのは1912年、贈り主は当時の東京市長・尾崎行雄(1858~1954)。第1回選挙から衆院議員に連続当選25回を誇り、立憲政治の擁護に尽くした「憲政の神様」である。

 都心から電車とバスに揺られ…

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