福岡市南区の福岡女学院中学・高校で18日、創立139周年の記念行事として、伝統のメイクイーン・メイポールダンスが披露された。
欧州に古くから伝わる踊りで、1916(大正5)年の同校の創立記念日に、当時のエリザベス・リー校長の発案で始まったという。以来、初夏の訪れを告げる風物詩として親しまれている。
玄関前ロータリーに音楽が流れると、中学2、3年生72人がステップを踏み、高さ3・5メートルの青いポールの先端からのびる紅白の布を巻きつけ、模様をつくった。メイクイーンに選ばれた中学2年生の甲斐杏奈さん(14)が入場し、空色の夏服に衣替えした18人が花束を添えた。
伝統行事を見守るために多くの卒業生も訪れ、久しぶりに見たという浜地佳世子さん(64)は「音楽を聴けば、今でもステップを踏める。胸が熱くなった」と語った。
東京の大学に進んだ橋本菜央さん(22)は、就職先の研修を終え、来月から仕事が始まるのを前に、母校の行事を見学しようと帰省した。橋本さんは「体育の時間に何度も練習したのに、当日は緊張した。変わらない伝統のすばらしさを感じた」と話した。
ダンスに参加した中学2年の堀内百々さん(13)は「伝統行事を大切にする学校に通うことを誇りに思う。歴史を紡ぐことができた」と達成感をにじませた。(前田伸也)