ネットオークションが盛んないまだからこそ、実物を手にとって見てほしい。そんな思いをこめて美術品や骨董(こっとう)を展示即売する「京都正札市」が6月14、15日の2日間、京都市東山区の京都美術倶楽部で開かれる。日頃はプロ同士の取引に使う場を、一般公開してのイベントだ。
「美術に関心のある方、見るだけでも歓迎です。会場には質問にこたえる係もおきます」と、今回から運営を担当する京都美術青年会の理事長、土橋章太郎さん(38)は話す。
自身の同世代にとって美術商は別世界。いいイメージはまず聞かない。一方でネットで買い物した人からの「イメージとは違った」「いい勉強になった」というあきらめの声に、歯がゆくも思う。「美術と人をつなぐ仕事として、情報発信ができていませんでした」
恒例の「市」を、実物を見て、好きなものに出あえる場だと知ってもらおうと青年会で話し合った。インスタグラム「京都正札市」で、並ぶ品を紹介する試みも始めている。「『正札』とは職業人として、その品の価値につけた値です。まずはご覧ください」と土橋さんは話す。
会場には約40店が参加。茶道具、工芸品、骨董などが1万円から、2千点あまり並ぶ予定。入場無料。14日は午前10時から午後7時、15日は午前10時から午後4時まで。