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「手書きのスコアボード」を見守った県高野連審判部長の竹田英敏さん=2025年7月22日午後2時6分、高砂、大久保直樹撮影

 半世紀にわたって球児を見守り続けてきた兵庫県高砂市の高砂市野球場の「手書きのスコアボード」が22日、今夏の兵庫大会での最後の日を迎えた。1972年に整備された球場は老朽化が進み、8月下旬から電光掲示板への改修工事が始まる。署名活動を通じて球場改修のために奔走してきた県高野連審判部長の竹田英敏さん(50)が、最後の球審としてグラウンドに立った。

 竹田さんは高砂市に近い播磨町出身。高砂の野球部に入部し、市野球場が身近な存在になった。高校卒業後も審判として高校野球に関わり続け、「夏の大会で初めて球審を務めたのも、この手書きボードがある高砂の球場だった」と振り返る。

 一方、審判としてはこのスコアボードは「悩みの種」でもあった。選手が交代する際、通常は場内アナウンスとボード表示の切りかえが完了してからプレーを再開する。だが、手書きのスコアボードは選手名のつけかえに時間がかかるため、それが終わる前にプレーを再開せざるを得なかったという。

 竹田さんは3年ほど前に仲間と市民グループを立ち上げて署名活動をするなど、市にスコアボードの改修を要望してきた。電光掲示板は来春ごろに完成する見通しだ。「ちょっとさみしい思いはあるが、新しい球場の姿が待ち遠しい」

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