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ビル・ゲイツ氏=ゲイツ財団提供、ダニエル・バーマン氏撮影

 今後20年で全財産をグローバルヘルス(国際保健)などのために寄付すると表明した米マイクロソフトの創業者ビル・ゲイツ氏(69)が8日、朝日新聞のインタビューに応じた。「手本を見せたい」と理由を語ったゲイツ氏。米政府の国際支援の縮小に頭を悩ませながらも対応に動いていることや、日本への期待も語った。

――今回、財団を通じて約2千億ドル(約30兆円)を投じることを決めたきっかけは。

 今年を選んだのは、(ゲイツ)財団設立25周年というだけでなく、「内省」の年だからです。私は今年、70歳になります。父が生まれてから100年、マイクロソフト創業から50年です。私たちはマラリアを終わらせることができるのか、ポリオをなくすことができるのか、小児の死亡者数を半減させることができるのか――と問い直しました。

 そして、米国や他の国々でその資金が削減されていることに驚きました。

 私は良い手本を示したいと思いました。慈善家が思いやりをもつことで、社会が富裕層に少しでも期待してくれることを願っているのです。

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「ひどい状況」

 ――米国のトランプ大統領は、国際開発局(USAID)を事実上解体し、様々な途上国支援が停止しています。どう受け止めましたか。

 このような削減のせいで、毎…

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