小野塚康之さん=滝沢美穂子撮影

 (5日、第107回全国高校野球選手権大会1回戦 創成館3―1小松大谷)

 甲子園の放送席は言い訳ができない。バッテリー間、内外野のシフト、ベンチの動きが一目瞭然。観客の表情で暑さも分かります。野外にあるため五感で伝わってくる情報が多い。しゃべる人間にとって、甲子園は最高の場所です。

 午後4時。開会式が始まりました。吹奏楽団が一塁側ベンチ前に移ったんですね。西日が当たらない工夫はいい。

 今年はNHKの放送開始から100年。始球式の球がヘリコプターからうまく投下されず、やり直された。実況はリアルタイム。私なら「あっ」と違和感を発します。そんな気づきを多くの視聴者と共有できるのも放送の醍醐(だいご)味です。

 また、実際のプレーより遅れるのが実況の宿命。そのタイムラグをいかに小さくできるか。私は、直前の過去から直近の未来を導き出すことを目指してきました。例を挙げるとするなら「打った、いった、ホームラン!」です。

 高校野球の実況に携わって4…

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