明石商―報徳学園 六回裏、橋本が右前に先制の適時打を放つ=神戸、滝沢美穂子撮影

(28日、第106回全国高校野球選手権兵庫大会決勝 明石商0-4報徳学園)

 両チーム無得点で迎えた六回1死二塁、報徳学園の橋本友樹選手(2年)が打席に立った。

 今夏に向けて、朝練と自主練で毎日計150~200球を打ち込んできた。練習試合にも本番を意識した緊張感で励んだ。

 だが練習試合の打率は3割未満だったという。「5番打者なのにチャンスをいかすバッティングができない」と苦しんだ。

 そんな時、阪神タイガースの元選手で現在報徳学園のコーチの葛城育郎さんからヒントをもらった。

 「打席に入ったら、景色を見ろ」

 決勝の舞台。ふうっと息を吐き、ヒットゾーンを見て、気持ちを落ち着かせた。「ここで絶対に1点取りたい」という強い気持ちはあったが、それ以上に冷静な自分に安心した。

 変化球を振り抜き、一、二塁間を破る適時打。スタンドからの歓声が心地よかった。「チャンスで打てて良かった」と笑顔を見せた。

 橋本選手は八回にも2点適時打を放った。「先輩と甲子園へ行けるのは本当にうれしい。甲子園でも一戦必勝でやっていきたい」と意気込んだ。(原野百々恵)

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