大阪・関西万博に合わせて、関西文化学術研究都市で「けいはんな万博」が開かれている。その意義について、経済産業省で万博を担当した経歴を持ち、万博の成果を継承・発展させることの重要性を指摘している石原康行さんに聞いた。
――そもそも万博とは何でしょう
あまり知られていませんが、180カ国以上が締約した国際博覧会条約に基づく国家プロジェクトで、その監督組織として博覧会国際事務局(BIE、本部・パリ)があります。
条約では万博の目的を「公衆の教育」としていますが、日本語だとやや上から目線に聞こえるので、私は「未来に向けて知恵を皆で出し合うもの」と解釈しています。
1970年の大阪万博は、小学5年生だった私は10回以上行きましたが、当時はまだ各国の「自慢大会」の意味合いが強かったですね。しかし、今世紀になってからは、より人類の課題を解決するための大会へと変化しています。市民も一緒に人類の未来を考える場という意味では、とても有意義だと思います。
二つの「万博」への思い
――けいはんな万博とのつながりは?
大阪・関西万博会場に、研究…