日本ガイシ(名古屋市)は自動車エンジンの排ガスを浄化するセラミックス部品で世界シェアの約半数を握る企業です。「脱炭素」でエンジン車が電気自動車(EV)に置き換わる流れを見据え、大気中の二酸化炭素(CO2)を回収する部品を主力に育てる戦略に着手しました。ねらい通りに進むのか、小林茂社長に聞きました。
主要100社景気アンケート
朝日新聞の「主要100社景気アンケート」で、各社の経営陣にインタビューした内容を随時配信します
――自動車の排ガス浄化技術を応用してCO2を回収する「ダイレクト・エア・キャプチャー(DAC)」という装置を大阪・関西万博での実証実験に提供するそうですね。
「はい。自動車が電動化しても、どれだけ発電所が脱炭素を進めても、循環できないCO2はどうしても大気中に残ります。DACは、そうしたCO2を直接回収できる技術です。大気中のCO2を集める方法はいくつかありますが、セラミックスを使う手法が、有効な一つになり得ます。たまたまと言うとおかしいのですが、当社の排ガス浄化技術を生かしてできることがわかったのです」
――将来的にはどれぐらい売る計画ですか。
「カーボンニュートラルが達成されると、2050年に5億トンのCO2がこの手法で処理されると当社では想定しています。この半数のシェアをねらいます」
「怖くないです」その理由は
――とはいえ、自動車の排ガス浄化用部品が今のところ売り上げの過半数を占めます。エンジン車がEVに置き換わる流れは怖くありませんか。
「エンジンが無くならなけれ…