国による生活保護費の大幅な引き下げは「違法」と認めた最高裁判決を受け、対応を検討する厚生労働省の専門委員会が29日、開かれた。初めて出席した原告側は、引き下げ前の基準からみて減額された分の支払いを求めており、「手続きをやり直せば改めて引き下げてよい」という政府内の考えは「根本的に誤っている」と批判した。
専門委では、最高裁判決が示された訴訟の原告で生活保護を利用する当事者や弁護団の弁護士、支援者が参考人として意見を述べた。
弁護団の小久保哲郎弁護士は、判決から2カ月たっても謝罪しない国の態度に触れ「専門委員会を利用して、最高裁判決の意義を矮小(わいしょう)化し、被害回復額をできる限り小さくしようとしているのではないかという不信感をぬぐえずにいる」と指摘。今回が「単なる『ガス抜き』として利用されるのではないかという懸念」を表明した。
そのうえで、委員に対し、一般傍聴を認めるなど、審議の徹底した公開と透明性の確保を求めた。また、原告側の文書を資料として適宜専門委に配布することや、専門委での審理の終盤に改めて原告側が意見を述べる機会を設けることも求めた。
出席した原告の沢村彰さんは、東日本大震災をきっかけに派遣の仕事を失い、ホームレス状態になって生活保護を利用するようになった経緯を語った。2013~15年に保護費が引き下げられた後、食事は1日1食に減り、物価が高騰した現在は食事の量も減少。満足に風呂にも入れないという。
「いつまでこの生き地獄を続…