民謡踊りの継承活動に取り組む原点となったレコード「敦賀とてもすきすき」を手に持つ森野巧巳さん=2024年6月20日午後6時2分、福井県敦賀市、佐藤常敬撮影
  • 写真・図版

 ♪ 若狭ガレイを 土産に持たせ 好きなあなたに 謎かけました 逢いたみたさに こがれる自身(わたし) おもいだしたら またきてね

 今年3月末、北陸新幹線敦賀開業記念の祝賀会が敦賀市内であった。うちわ片手に地元の民謡踊り「敦賀とてもすきすき」を踊る、着物姿の若者に目がとまった。敦賀高校3年の森野巧巳さん(17)。手拍子に合わせて、心のままに、感じるままに、体を動かしていた。

 保育園の時には、ひな祭りの歌をこぶしをきかせて歌っていた、と母の未里さん(44)は振り返る。小学校6年生の時にテレビで聴いた美空ひばりの「愛燦燦(さんさん)」をきっかけに、「自分が知らない時代の息吹が感じられる気がした」と昭和歌謡など古い歌にはまった。

 中学1年生の時には、自宅に…

共有
Exit mobile version