斎藤工は善良だがまぬけな誘拐犯の新庄政宗を演じる

「撮影5分前」テレビ朝日プロデューサー・峰島あゆみ

 クールでスマートなイメージがある斎藤工さん=写真=が、ドラマ「誘拐の日」(火曜夜9時)では、善良でまぬけな誘拐犯の新庄政宗を演じている。第5話では、わざとおならをするシーンがあった。

 当初「あの斎藤工におならをさせていいのか」と制作陣で議論もあった。しかしご本人から「他にもおならを足したい」という予想外の相談。急きょ、おなら打ち合わせが開かれ、第2話の電話ボックスのシーンですることに決まった。撮影3日前のことだ。放送では政宗がちょっと残念な男だと伝わっただろう。

 斎藤さんは、生理現象のおならをドラマで扱うことを避けるべきではない、小津安二郎の映画「お早よう」もおならを題材にしている、などと力説する。実は今作は「そこにあるのに目を背けがち」な何かを真っ向から描くことを随所で入れ込んでいる。彼も監督の意向をくんでいるのだ、きっと……。

 他にも七瀬凛(永尾柚乃)との逃亡劇をより楽しくするため変装するというのも斎藤さんの案。監督やプロデューサーとしても活動する彼は、ドラマをより面白くするべく引いた視点で考え、刺激的な現場にしてくれる。

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