山陰合同銀行の吉岡佐和子代表取締役=松江市

地方銀行の女性役員:下

 地方銀行が地盤を置く地域では、若者の流出といった課題を抱えるところも多くあります。働きやすい、働きがいのある場所をいかに創出するか。地銀の女性役員たちも、動き始めています。

「課題先進地域」で広げる、働く選択肢

 山陰合同銀行(松江市)の吉岡佐和子さん(57)は今年6月、同行初の生え抜きの女性として代表取締役に就いた。今年4月に生え抜きの女性代表取締役が就任した千葉銀行と並び、地銀では先駆けとなる存在だ。

 「銀行から新しい風を吹かせられないか」。そう考えるのは、同行が地盤とする山陰地域は、少子高齢化など「課題先進地域」と考えるからだ。

 「風を吹かせる」取り組みの一つが11月下旬、鳥取市であった。結婚式場を会場に、働く女性を集めた交流会だ。同行行員らが初めて企画し、地域企業で女性登用の機運を盛り上げるとともに、女性同士で悩みを共有できる場につなげるねらいがある。

 地元企業の女性幹部らとの対談で登壇した吉岡さんは「(働く中で)いいことも悪いことも起こるだろうが、人生はドラマと客観的に思えば、落ち込むこともない」などと語った。

 振り返れば自身のキャリアも…

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