スイス・ジュネーブの国連欧州本部で核兵器廃絶を訴えるスピーチをし、署名を届けた高校生平和大使の帰国報告会が19日、新潟県長岡市の市立中央図書館で開かれた。
高校生平和大使は、1998年に長崎の高校生2人がニューヨークの国連本部に派遣されたことから始まり、毎年全国から公募で選ばれ、国連欧州本部など世界各地で核兵器廃絶と世界平和の実現を訴えて発信している。今年は17都道府県の23人が大使となり、新潟県からは長岡高校2年の西脇あかりさん(17)が選ばれた。
西脇さんたちは、8月にジュネーブを訪問。国連欧州本部などでスピーチするとともに、「高校生一万人署名活動」として全国の高校生が集めた核廃絶を求める署名を届けた。
西脇さんはスピーチで「もし新潟に原爆が落ちていたら私はここにいなかったかも知れません」と訴えたという。「国連軍縮部の事務所長から『私たちはあなたたちが必要です』と言われたことが心の支えになりました」。続いて、署名活動に参加した県内の高校生3人が活動報告をした。
報告会では、被爆2世で県原爆被害者の会事務局長を務める西山謙介さん(76)が講演。日本被団協がノーベル平和賞を受賞したことに触れ、「被爆者の地道な活動が核兵器使用の抑止効果を発揮してきた。その経験とメッセージを伝え続ける新しい世代の代表にみなさんがいる」と、高校生たちにエールを送った。(山崎靖)