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綾羽―高知中央 四回裏高知中央無死一、二塁、犠打を決める高山=吉本美奈子撮影
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 (8日、第107回全国高校野球選手権1回戦 綾羽6―4高知中央=延長十回タイブレーク)

 高知中央の高山大和主将(3年)は、大声で仲間を鼓舞し続ける。高知大会の決勝で明徳義塾を逆転勝ちで破り、甲子園に来られたのは「チーム一丸となって諦めない気持ちを持てたからこそ」と思うからだ。

 自分を主将に指名してくれた前監督が他校に行き、高校野球指導は初めてという山野司監督が今年4月に就任。ゴロの捕球やキャッチボールといった基礎練習を重視する山野監督の方針に部員たちは戸惑ったが、「新監督についていかないと勝てないし、甲子園にも行けない」と、主将として腹をくくった。

 山野監督の手法に選手たちが慣れ、成果が出始めた6月下旬。自身は練習中に足をけがし、夏の高知大会直前まで試合に出られなくなった。

 ずっとベンチにいて見えてきたのは、プレーの隅々まで目を配り、声をからして応援する仲間の姿。「レギュラーだけで試合をしているんじゃないってすごくわかった」。それと同時に「もっと全員を盛り上げて一つになろう」と思った。

 山野監督は「こいつが変わったから、チームもすごく変わった」と言う。「プレーでもみんなを引っ張る」と奮い立ち、先頭打席に立った。

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