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質問に答える立憲民主党の野田佳彦氏=2024年9月10日、東京都中央区の朝日新聞東京本社、上田幸一撮影
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 安倍晋三首相(当時)が2013年の参議院選挙直前、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の会長らと自民党本部で面談していたとみられるとの朝日新聞の報道を受け、野党各党が17日、自民党を批判した。安倍氏と教団との関係などについて、再調査を求める声が相次いでおり、次期衆院選でも焦点となりそうだ。

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立憲・野田氏「調査は新総裁の大きな条件」

 立憲民主党の野田佳彦元首相は17日、国会内で記者団に「少なくとも(自民党の)新総裁が決まったら、次の国会までに調査し、国会にきちんと報告してほしい」とした上で、「調査をするのかしないのかは、新総裁・新首相の資質を問う大きな条件ではないか」と指摘した。

 野田氏は2022年の衆院本会議で故安倍晋三元首相を追悼する演説をした際、安倍氏の「強烈な光」と「その先に伸びた影」に言及したことを強調。「影の部分の一つは裏金問題、もう一つが旧統一教会との関係だ」とした上で、「新たな事実が出てきたということは、これは重く受け止めなければいけない」と述べた。さらに「調査をしないで、裏金問題も旧統一教会の問題もくさいものにはふたをしてすぐ総選挙をやるならば、国民がどういうしっぺ返しをするか。そういう総選挙になるだろう」と指摘した。(松井望美)

 立憲民主党の枝野幸男前代表は17日午前、「トップ同士が党本部で会っているわけで、組織的な連携であったことはもう否定し難い事実だと思う」と指摘。自民がこれまで組織的な関係を否定してきたことを踏まえ、「自民の調査や説明が全く虚偽だった。再調査し、実態解明をしてもらわなければならない」と述べた。視察先の北海道苫前町で記者団の取材に答えた。

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 枝野氏は自民党総裁選の各候補者もこの問題の認識と対応を明らかにする必要があるとも強調。総裁選や次期衆院選の争点をめぐり「政治不信の大きなポイントが(自民党派閥の)裏金問題と旧統一教会問題だ」とした上で、「臭いものにふたをするのか、全容解明、再発防止にどれぐらい努力するか。国民の大きな関心だ」と語った。(大久保貴裕)

国民・玉木氏「説明せずに衆院解散はできない」

 国民民主党の玉木雄一郎代表は17日の記者会見で「自民党総裁選の新たなテーマが浮上した」と述べた。「総裁選後の国会で説明をきちんとせずに衆院解散はできない」とも指摘した。

 自民が組織的な関係を否定してきたことに対し、玉木氏は「極めて密接な組織的な関係があったことは事実だと思う。さすがに自民党総裁応接室に入る記録が残っていないことはないと思う。きちんと調べ、国会と国民に対し説明すべきだ」と強調した。

 また、総裁選をめぐり「いわゆる安倍派の応援をたくさん受けている方にはより大きな影響がある」との見方を示した上で、「総裁選の間に説明を果たさなかったとしても、必ず国会などの場で説明を新総裁は求められる。仮に説明を果たさないで衆院選をしたら、大きなしっぺ返しを選挙結果という形で受けることになる」と語った。(松井望美)

共産・小池氏「再調査しないは到底通用しない」

 共産の小池晃書記局長は17日の記者会見で、「組織的な関係が明らかになった。全面的な再調査が必要だ。このことは全ての自民党総裁選の候補者に問われる。ここに至って再調査しませんというのは到底通用しない」と述べた。

 小池氏は「自民党ぐるみで組織的に教団から組織票や選挙運動の支援をもらい、見返りに何らかの便宜を与えていたと言われても仕方がない」と強調。岸田文雄首相に対し「これだけの決定的な接点が判明した以上、全面的な再調査を行う責任がある」と指摘した。

 面談時とされる写真に写っていた自民の萩生田光一・元経済産業相や岸信夫・元防衛相には、「何が話し合われたのか知っているはずだ。国民に対し説明をするべきだ」と求めた。(小林圭)

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写った8人はいったい誰で、どんな目的で撮られたのか。入手した写真の細部から検証しました。

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