ソウル外信記者クラブで会見する韓国の趙顕(チョヒョン)外相=2025年9月19日、ソウル、清水大輔撮影

 韓国の趙顕(チョヒョン)外相が19日、ソウルで外国メディア向けに記者会見した。石破茂首相の退陣後の日本の新政権について、歴史問題に対処しつつ、協力すべき分野では協力を続けていく立場を改めて示した。韓国が続ける日本産水産物の輸入規制については、懸念が解消されるまでは解除は難しいとの考えを示した。

 趙氏は元徴用工の問題で前政権が示した解決策などについて、内容に賛成ではなくても、以前の政府が合意したり発表したりした政策は守っていくとした。

 日本の新政権については、どんな政策をとるか予断は難しいとし、歴史問題については忍耐強く説明し、説得する努力を続けていくとした。そのうえで、日韓の間には協力しなければならない事案が多く、そのような分野で協力は続けていくとした。

 また、日本が主導する「CPTPP(米国抜きの環太平洋経済連携協定)」への加入を韓国政府が検討すると表明したことに関連し、日本の賛成を得るために水産物の輸入規制問題の解決が必要ではないかとの問いには、「制限措置の撤廃が加入の先制条件ではないと考える」と答えた。

 中国との関係では、朝鮮半島の平和と安定を図ることに相互の接点があるとし、今度も議論を進めながら関係をうまく発展させていくのが政権の基本方針だとした。

 また、北朝鮮のロシア派兵に関しては、近くある国連の会議でロシア側と接触する機会があれば、憂慮を伝えるとした。

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