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科学の発達とイノベーション

 「日本を再び科学大国に」――。そんな論考が英科学誌ネイチャー(https://doi.org/10.1038/d41586-025-00394-8)に掲載された。ノーベル賞受賞者を含む国内の科学者138人が、日本の科学技術予算の分配に危機感を抱いて執筆。人に寄り添った資金提供や「選択と集中」からの脱却がカギだとしている。

 論考は、近年ノーベル賞が贈られたゲノム編集やAI(人工知能)によるたんぱく質構造予測などを挙げ、医学や工学などの領域をまたぐ学際的な研究がますます重要になるとの見方を示す。

 ところが日本の科学研究資金は「工学」「化学」など従来の領域におさまる研究に優先して供給される傾向が強いと指摘。「革新的な発見(ブレークスルー)の機を逸している」として、政府や、資金を分配する科学技術振興機構などの努力が必要だとしている。

 そのうえで五つの処方箋(せ…

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