参院選では「日本人ファースト」を掲げた政党が躍進した。少子高齢化で活力を失う日本社会は、外国人との共生を進めてきたが、街頭演説では外国人への嫌悪の声が飛び交った。不安や敵意の深層にあるものとは。
「日本人ファースト」の言葉 「大事にされている感じ」
中部地方の30代男性は、数年前から外国人の存在に違和感を覚えていたと明かす。「浅草や河口湖などの観光地に行くと海外客が多く、日本ではないみたいで嫌でした」。訪日客の姿と宿泊や飲食などの価格高騰を見て、日本の相対的な貧しさを感じていたという。2022年、岸田文雄首相(当時)が留学生の受け入れ拡大を表明し、彼らを「我が国の宝」と発言した動画を目にして、反発も覚えた。
数年前まで小学校教諭だった。授業で日露戦争以降の歴史を教える際、「日本がダメな国だと教えているようで気分が暗くなった」。そんな感覚も重なり、「日本人ファースト」を掲げる参政党に共感するようになった。
党は政策カタログの外国人政…