深刻な経営不振に陥っている日産自動車。生産台数が国内最大の工場は福岡県苅田町にある。日産の生産拠点の見直しの中で、同町の工場は維持される公算が大きいが、トランプ関税の影響で先行きの不透明感は強い。日産の「城下町」として発展した町は不安を抱えている。
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「苅田町の経済を支えてきた日産自動車が、アメリカの関税措置により、関連する企業、そして従業員に不安が広がっております」
福岡県苅田町の苅田商工会議所は、18日に町役場であったイベントにあわせ、スピーカーからこんな放送を流した。
「がんばれ日産 応援プロジェクト」と書いた看板の横には、スポーツ用多目的車(SUV)のエクストレイルを展示。この車種を買った商議所の会員企業や従業員、町民先着20人に各10万円の奨励金を出す。
町内には、生産台数が国内最大の日産自動車九州と、日産車体九州の工場がある。奨励金は、トランプ関税で不透明感が強まるなか、日産や部品会社を支援する狙いだ。
イベントの5日前、日産は完成車工場を世界で7カ所減らすと発表した。国内では、神奈川県の2工場の閉鎖案が検討され、苅田の両工場は維持される可能性が高い。
イバン・エスピノーサ社長は…