日本政府が「能動的サイバー防御(ACD)」導入の本格検討を始めた背景には、日本のサイバー能力強化を強く働きかける、米国の存在があった。

 防衛機密を扱う防衛省のネットワークが、中国から不正侵入を受けている――。2020年、当時のトランプ政権下のマット・ポッティンジャー米大統領副補佐官とポール・ナカソネ米国家安全保障局(NSA)長官兼サイバー軍司令官が来日し、日本側に衝撃の事実を伝えた。

 元米国防総省高官は、当時の状況を「防衛省のネットワークに、中国が深く侵入していた」と明かす。

 ナカソネ氏は退任後の昨年1…

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