記者会見する拉致被害者家族会の横田拓也代表=2024年4月5日午後3時10分、東京都千代田区の日本外国特派員協会、北野隆一撮影
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 北朝鮮に拉致された横田めぐみさんの弟で、拉致被害者家族会代表の横田拓也さん(55)が5日、東京都千代田区の日本外国特派員協会で記者会見した。岸田文雄首相に対し、今月10日の日米首脳会談で「必ず拉致問題を取りあげ、解決を強くアピールしてほしい」と訴えた。

 めぐみさんや拓也さんの両親である横田滋さん(2020年死去)と早紀江さん(88)は同協会で複数回記者会見したが、拓也さんは初めて。また、岸田首相には「日朝首脳会談を開いて全拉致被害者の帰国実現」を求め、北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)総書記にも「勇気ある英断」を呼びかけた。

 家族会は2月、被害者の親世代が存命のうちに「全拉致被害者の即時一括帰国」を実現させることを条件に「(北朝鮮への)独自制裁を解除することに反対しない」とする新たな運動方針を決めている。これについて拓也さんは「私の母の早紀江や有本恵子さんの父・明弘さんの親世代2人を拉致被害者にどうしても会わせてあげたいという一心で譲歩した。北朝鮮が人質外交を続けている国であることを国際社会に訴えたい」と語った。(編集委員・北野隆一)

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