洗礼式を終えて。前列左端が父、後列右から3人目が平野克己牧師=埼玉県八潮市の「SOMPOケア ラヴィーレ八潮」

それぞれの最終楽章 父を看取って(4)

朝日新聞記者 佐藤陽

 転倒事故で車いす生活になった父は、2023年ごろから、「早くあの世に行きたい」「お迎えが来ないかなあ」と周囲によく口にするようになった。そんな父に対し、母はどんな言葉をかけていいか、悩んでいた。

  • 「それぞれの最終楽章」一覧はこちら

 話は変わるが、母は19歳のときに洗礼を受けたクリスチャン(プロテスタント)だ。東京都内の自宅にいたころは、近くの教会に通っていたが、手押し車を使うようになってからは、行くことが難しくなった。そういう人たちのために、牧師が自宅や施設を訪問するシステムがある。

 母が通っていた東京都世田谷区にある日本基督教団代田教会も、信徒の訪問をしていた。父も一緒に礼拝に行ったことがある教会だ。

 キリスト教では「聖餐式(せ…

共有
Exit mobile version