偏見や誤解を背景に生まれた認知症観と過大な心配を「早合点(はやがてん)認知症」と名付け、認知症の正しい知識を伝えようとする書籍「早合点認知症」が話題を呼んでいる。福岡市のたろうクリニック院長、内田直樹さん(46)が著した。
多くの人の誤解を解く内容が書かれている。まず、認知症とは病名でなく、状態をさす。症状の程度には幅がある。だが報道などがアルツハイマー型認知症の重症例ばかりをとりあげるため、「自分を失い、別人のようになる」といった偏ったイメージを持つ人が多い。
認知症の最大のリスク因子は年をとることだ。内田さんは、「認知症は老化の一部なので、怖がらないで。誰もがなりうるので正しい知識を持ってほしい」と話す。
「物忘れがあるから認知症?」と思いがちだが、物忘れがあっても、日常生活に支障がなければ認知症ではない。
治療できる病気が見つかることも
加齢による物忘れと、認知症…