太平洋戦争後にフィリピンに残された日系2世の竹井ホセさん(82)が戦後80年を経て、初めて訪日し、親族との対面を果たした。日本国籍取得に向けた調査のため、日本政府が訪日費用を負担する初のケース。国籍取得を望む残留日本人2世は約50人おり、竹井さんは「年齢的に自由に動けることも少なくなった。できるだけ早くかなうことを願う」と話した。
- 戦後80年、初めて父の故郷へ フィリピン残留2世の訪日事業開始
竹井さんはルソン島中部ラグナ州サンパブロ市在住。戦中の1943年、フィリピン国有鉄道の技術者だった日本人の父と、フィリピン人の母の間に生まれた。父は母が妊娠中に消息不明になったが、後の調査で、軍人となって日本に帰国していたことが判明。親族が見つかったが、父は亡くなっていた。
ホセさんは6日に日本入りし、大阪府河内長野市の異母兄弟と対面。父の墓参りも果たした。
8日に外務省を訪問し、報道陣の取材に応じた竹井さんは「幸せで、うれしかった。(墓前で)父の魂が永遠に安らぎの中にありますようにと祈った」と振り返った。
戦後80年でようやく訪日が実現したことについて、「本当に長い日々だった。長く待ち続けた」と、早期の国籍取得につながることへの期待を語った。
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フィリピンには戦前、多くの…