ウクライナがロシア南西部クルスク州への越境作戦を始めて、6日で1カ月となる。突然の極秘作戦は、劣勢が続くウクライナの国民の士気を高める効果をもたらした。ただ、ロシア領に築いた陣地を長期間保持することは容易ではなく、他の前線にも目を配りながら、綱渡りの状態が続く。
「クルスク作戦で設定されたすべての目的が実現されつつあることは、非常に重要なことだ」
ゼレンスキー大統領は4日夜のビデオ演説でそう強調した。
「勝利に向けた計画の一部」だという作戦の全容は明らかにはなっていない。ただ、1300平方キロに及ぶと主張する制圧地域について、現時点では「無期限で」保持するつもりだといい、今後のロシアとの交渉材料につなげる狙いも透ける。
ウクライナの軍事評論家、オレクサンドル・コバレンコ氏は作戦は「現時点では成功」とみる。
理由としては、鉄道・道路網…