安倍晋三元首相が銃撃され死亡した事件から8日で2年となる。現場となった奈良市の近鉄大和西大寺駅前では7日、自民党が1日早く献花台を設けた。

安倍晋三元首相が銃撃された現場近くに設置された献花台のテント。近鉄大和西大寺駅北口の駅前広場前には今年、スクランブル交差点が新設された=2024年7月7日午前10時16分、奈良市、朝日新聞社ヘリから、林敏行撮影

 安倍晋三元首相が銃撃され死亡した事件から8日で2年となる。現場の奈良市の近鉄大和西大寺(やまとさいだいじ)駅前では7日から献花台が設けられ、花束を手にした人たちが集まった。

 大阪府高槻市から献花に訪れた介護職員、中村圭介さん(47)は、事件直後と1カ月後、1年後にもこの場所を訪れた。「暴力や殺人で解決することはない。新たな恨みを呼ぶだけ。それを忘れないようにここに来ている」と話した。

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 大阪府岸和田市から家族とともに訪れた事務員の藤本孝子さん(46)は「安倍さんが進めていたことに賛同していた部分がある。引き継いだ人がどう進めていくのか。進んでいく方向はどういうものか。私自身が応援する人は誰なのか見極めないといけないと思っている」とし、「考え続けることが大事だと、事件をきっかけに改めて気付いた」と語った。

 奈良県生駒市から妻と訪れた自営業の久木田正文さんは、2年が経ち事件が風化しているように感じると口にした。「政治的な主義主張に関係なく、民主主義の社会で起きてはならない歴史的な事件だった。若い人にも伝えていかないと」と力を込めた。

 現場では昨年、男が取り押さえられる騒動があった。主催した自民党は今回、周辺に柵を設けて手荷物検査を実施した。駅前一帯は警察官が立ち並び、目立ったトラブルはなかった。(富岡万葉、阪田隼人、仙道洸)

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