よみがえれ刀

連載「よみがえれ刀」第2回

 大阪市の雑居ビルの3階。エレベーターを降りると、大きな3領の甲冑(かっちゅう)が出迎えてくれた。火縄銃や日本刀も並べられている。奥の道場で、シンガポールから来た15歳の少年が緊張した表情で日本刀の試し切りを習っていた。ここはサムライにあこがれる外国人観光客に大人気のスポットだ。

 教えている作務衣(さむえ)姿の男性は、武術家の町井勲氏(51)。エアガンから発射された直径6ミリのBB弾や、時速300キロの軟球を居合で切る、人間離れした技をテレビで披露したことで知られる。1分間で87太刀を振るうなど複数のギネス世界記録保持者としても有名だ。

武術家の町井勲氏

 町井氏はかつて、豊後刀で試し切りをしたことがある。

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武術家の町井勲氏が持つギネス記録の数々

「よく切れるというが本当ですか」と記者が問うと、「本当ですよ」と即答した。「でも刀が切れるかどうかは、研ぎ方、切り手の技量次第です」と続けた。

 テレビの企画で、日本刀の切…

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