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意見陳述後、報道各社の取材に答える外国人技能実習生のミャンマー人女性=2025年7月31日、福岡市博多区、江口悟撮影

 7月31日に開かれた福岡地方最低賃金審議会で、外国人技能実習生として最低賃金で介護の仕事をするミャンマー人女性(24)が意見陳述した。同じ仕事の日本人との賃金格差を指摘し、「大幅な引き上げ」を求めた。厚生労働省によると、中央と地方の最低賃金審議会で技能実習生が意見陳述したのは全国初とみられる。

 意見陳述は、北九州合同労働組合(ユニオン北九州)が支援して実現した。ユニオン側は、自分の意思で職場を変われない技能実習生が低い賃金で働かされている実態を知ってもらおうと、女性を推薦したという。

 女性は北九州市の社会福祉法人が運営する介護施設で働く。陳述では、多くの技能実習生が母国の送り出し機関への支払いで抱えた100万円前後の借金の返済や家族への送金に追われる実情を説明。一方で、女性の給与は最低賃金で計算され、手取りから家族に10万~15万円を送金した残りの月5万円ほどで生活していると述べた。

 女性は「同僚の日本人で最低賃金で働く人はいません」と同一労働同一賃金に反する状況にも触れ、「最低賃金が1500円になれば、母国に送金しても10万円以上が手元に残り、自分のために使ったり、将来に向けて勉強したりすることもできます」と訴えた。

 都道府県ごとの地方最低賃金…

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