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東京地裁が旧統一教会に対し解散命令を出したことを受けた野党のヒアリングで、思いを語る「宗教2世」の男性(右手前)=2025年3月25日午後5時30分、国会内、岩下毅撮影
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 世間に衝撃を与え、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の問題を注視させた安倍晋三元首相銃撃事件から2年8カ月。東京地裁は25日、教団に解散を命じる決定を出した。司法の重い判断に、信者を親に持つ2世らからは安堵(あんど)の声が上がったが、問題の決着はまだ見えない。

 「一丸となって立ち向かっていった結果。至極当然の決定だと思う」。地裁決定を受けて国会内で開かれた会合で、信者である両親のもとで育った30代女性は話した。

 両親は教団内部で働く一方で高額な献金を繰り返しており、女性が親を経済的に支援してきた。女性によると、自身と同様に献金で破綻(はたん)した親の面倒を見なければならなかったり、教団の教義によって精神的苦痛や人権侵害を受けたりしている2世は少なくない。女性は「課題は山積み。2世たちがどんな被害を受けているのか、国にはその実態に踏み込んでほしい」と訴えた。

 女性は、解散が確定するまでに時間がかかるなどとして、教団の財産が流出する可能性について言及。「(被害救済の)原資がなくなってしまえば、被害者は泣き寝入りをせざるを得なくなる」と述べた上で、「関心が薄れていくのがものすごく怖い。私たちのような被害者が二度と出ないような社会にしてほしい」と訴えた。

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